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〈個人山行〉白馬岳・祖母谷温泉《山紀行845》

20140823白馬岳6
白馬岳リベンジ。昨年の大雪渓は大雨で白馬尻小屋から先は濁流で登山を阻められた。あれから丁度1年、今回も大いに雨の心配があったが、登るにつれ空は晴れ渡り最高の白馬岳を楽しむことができた。念願の長い長い清水尾根を下り祖母谷温泉の秘湯で岩魚の骨酒を楽しんだ。
 平成26年8月23日(土)~25日(月)

白馬岳リベンジ。昨年の大雪渓は大雨で白馬尻小屋から先は濁流で登山を阻められた。あれから丁度1年、今回も大いに雨の心配があったが、登るにつれ空は晴れ渡り最高の白馬岳を楽しむことができた。念願の長い長い清水尾根を下り祖母谷温泉の秘湯で岩魚の骨酒を楽しんだ。

【メンバー】 山本浩史L、吉川彩、橋本満里子、深澤圭子(非会員) 計4名
1日目(8/23)
【行  程】 8/22京都20:39-22:56東京23:02-23:17新宿23:54-(▲ムーンライト信州81)-5:40白馬ST=(タクシー)=6:00猿倉6:20~7:13白馬尻~7:38大雪渓下端~9:03大雪渓上端9:17~11:05村営頂上宿舎11:28~11:50白馬山荘12:13~12:28白馬岳12:48~131:0△白馬山荘
【歩行データ】 霧のち晴れ 歩行7.6㎞ 6時間50分 延登高1,714m 延下降115m 1座登頂

20140823白馬岳地図1日目

20140823白馬岳地図2日目①

20140823白馬岳地図2日目②

20140823白馬岳地図3日目


昨年まで走っていた関西発の“さわやか信州号”白馬行は走らなくなってしまった。白馬に早く入る方法がなくなり新幹線で東京まで行き新宿発の“ムーンライト信州号”で白馬駅に達した。以前なら急行“ちくま”など便利な夜行列車等があったものだが・・・ 猿倉までアルピコバスがすぐに連絡しているが料金は1,000円、タクシーなら3,700円で行けるので4人乗るとタクシーが有利となる。
山好きの運転手は今回の清水尾根を歩いたことがあると云う、情報を聴きながら走るとバスより20分早く到着した。猿倉荘でトイレ、登山届を済ませ雨具の下だけ履いて吉川さんを先頭に歩き出した。迂回して来た砂防工事道路に飛び出すと暫くは車道歩きとなる。左手に鑓温泉への登山道を分岐する。白馬沢の支流の長走沢は水量を増し、木橋で渡る。白馬尻小屋の車が置かれた車道終点からは再び登山道となり小屋に到る。昨年はこの白馬尻小屋に着いた途端に大雨となり雷も鳴りだし泣く泣く敗退した。
ガスは濃いが雨はない。今年は大丈夫だ。昨年濁流が噴出していた登山道脇の沢を確認し大雪渓下端に到る。軽アイゼンを付け雪上に踏み出すと吹き下ろす風はひんやりとして涼しい。大汗をかいて来たのに一挙に冷やされた。雪渓の真ん中には大岩が転がっている。ガスで見通しが利かないので落石には十二分に注意が必要だ。大雪渓登りの標高差は約400mある。深澤さんの息が上がってきたので途中の地面が露出した場所で休憩していると、空が青くなり、視界が開けた。見上げると杓子岳前衛の岩峰が姿を現し期待が大いに高まる。
標高約2,040mで大雪渓上端に達した。雪渓は万年雪なので泥が付いている。傍の枝沢で外したアイゼンを洗えるので好都合だ。登山道に入ると高山植物が咲き乱れ気持ち良く歩ける。ミソガワソウに交じりシロバナミソガワソウも発見した。左手を見上げると杓子岳の岩峰が圧倒的な迫力を見せる。葱平の岩室跡を過ぎるとお花畑避難小屋に達する。小さな小屋で宿泊は不可能にも拘らず管理人室はしっかりあった。北アルプス主稜線直下に村営頂上宿舎があり立寄って休憩した。晴天で暑くなったが、日影で休憩すると肌寒い。小屋の近くにウルップソウを見つけた。上の方が少し紫色になっているだけだったが、少し行くと完全なのがあった。上に行けば沢山あるだろうと思っていたがその後は食べ尽くしたトウモロコシのような残骸ばかりで花のあったのは頂上宿舎付近で見つけたひと株だけだった。
主稜線に乗り上がると白馬山荘は白馬岳の麓の城壁のように立っている。明治39年(1906)にできたという歴史ある山小屋だが全然“小屋”ではない。日本最大の山岳宿舎で五龍山荘や鑓温泉小屋など7つの山小屋を経営する株式会社白馬館が営業する。営業と言えば東京銀座にも営業所を出している。ホテルのフロントかお役所の窓口のように流れ作業でチェックインを済ませ、天候が変わらないうちにと空身で白馬山頂を目指した。
ウルップソウの残骸とミヤマウツボグサ、トウヤクリンドウ等を楽しみながら白馬岳(2,932m)山頂に達すると先客はひと組、人が多い山域で挨拶の言葉は少ない。目の前には明日登る旭岳、南に白馬三山の杓子岳、白馬鑓岳が望めるがその先はガスが掛る。やはり大気の状態が不安定で午後になるとガスが出る。立山連峰は時々剱岳が顔を出す程度で北の雪倉岳や朝日岳は瞬間に顔を見せる程度だった。下山は白馬山荘の創始者とされる松沢貞逸のレリーフの前を通り小屋に戻った。小屋付近でコマクサを見つけた。
時間は未だ早い、お預けにしていた昼食は小屋のレストランス“カイプラザ白馬”で寛ぐことにした。ここには生ビールがある。おでんやソーセージセットと生ビール、これは最早昼食じゃない! 飲んだ後に欲しくなったのはケーキセット800円でコーヒー単独500円より値ごろ感がある。稜線を眺めていると清水尾根から来る人が3人いる。此れは凄い拍手で迎えてあげたい。午睡の誘惑を我慢して吉川さんと二人まず二人を迎えたが荷物を持っていない。話を聞くと祖母谷からではなく此処から旭岳に登ってきただけだと云う。もう一人を期待して待つとこちらも頂上宿舎泊まりで足を伸ばしただけのようだった。そんな中、青っぽい衣服の登山者が一人尾根を下って行った。
小屋は1泊夕食付8,400円、お盆を過ぎ混雑は落ち着き一人一枚の布団とスペースが宛がわれた。17時からの夕食が済むと早々に寝に付き夜行列車の疲れを癒した。

2日目(8/24)
【行  程】 △白馬山荘4:59~5:40旭岳6:35~7:02裏旭岳~8:20小旭岳直下~8:28小旭岳取付8:41~9:09清水岳~10:55不帰岳避難小屋11:36~13:01百貫山直下~15:42林道出合~16:00△祖母谷温泉
【歩行データ】 霧後曇り一時雨 歩行16.1㎞ 11時間01分 延登高534m 延下降2,590m 3座登頂

小屋の朝食は5時からと早いが、5時には歩き出したいので自炊にした。外に出ると濃いガスが立ち込めていた。昨日レストランから見ていた清水尾根への分岐を折れいよいよ長い尾根に踏み出した。橋本さんを先頭に先ずは旭岳(2,867m)に登る。明瞭な踏み跡は無いと昨日の人は言っていたが、比較的明瞭な踏み跡が続いている。旭岳は岩峰でハイマツが混じる。南端で山頂域に達し少し進むと右手に飛び出した所にある三角の岩が最高点のようだ。最高所に立てるかどうか、試しに岩を登ってみると。斜めに入った亀裂に沿って登ると難なくピークに立つことができた。皆登って来て旭岳山頂を味わった。
濃いガスは相変わらずで、雨具を着ることにした。下だけ小屋から履いて来た山本は「先に行ってキジ打っていると先行し下山路の分岐点付近で待ったが皆は一行にくる気配は無く。コールするも応答なし。10分余り待って山頂に戻ってみると3人がいない! 一体どうしたことだろう? 追い越して行った? いやそんなことは絶対にない。先に踏跡が付いている。どうも間違って北に進んでしまったようだ。踏み跡を辿って行くと直ぐに踏跡が怪しくなりコールしてみるが応答なし。このまま進むと行き違ってしまいそうなので山頂に戻ることにした。DoCoMoの携帯は3本立ち皆に電話してみるが誰も出ない。待つしかない。15分ほど虚しく待っていると3人が戻ってきた。「疑わしい時は元に戻れ」を実践してくれて本当によかった。
30分ほどのロスを取り戻すべく南西方向に下るが、白馬岳側の踏跡より薄い。しかも相変わらず濃いガスの中、コンパスを頼りに外すことなく南側の山麓を巻く清水尾根の登山道に下り立つことができた。岩肌の道が続き少しの膨らみの裏旭岳(2,733m)に達するが山頂標識もなく呆気ない。晴れていれば展望は良い筈だ。大きく高度を下げ小旭岳の山麓に達する。登路は何処かと探しながら進むが岩壁が張り出した山頂域と這松や藪が阻み西端まで来た。指導標に此処が小清水岳である旨の記載があり。見上げると岩稜だが登れそうな感じ、ザックをデポして取り付いてみた。浮石だらけの斜面は慎重に進路を見極め、一つコブを越え二つ目に達したところで、這松と藪に阻まれ先に進めなくなってしまった。GPSで確認すると山頂はあと100m先、標高は40m上と云う地点だった。山頂直下には熊の大きな糞が落ちていた。藪を漕いで突入すると相当時間がかかりそうで登頂を諦め元に戻った。
下り一辺倒の尾根で山は全て飛び出しているかと思っていたが登り返しも結構ある。お花畑の拡がる清水平を過ぎると次のピークは清水岳(しょうずだけ2,603m)だ。清水尾根が一番北に張り出し方向が変わる部分にある。標高を下げるに連れ縦走路から100m程北に入った処がピークでザックをデポして登頂した。此処にも山頂標識は無い。分岐に戻ると登山者がいる! 男女6人の長野県のパーティーで昨夜は不帰岳避難小屋で泊ったそうだ。そして昨日レストランから見た青っぽい服装の人は19時頃になって到着したと言っていた。
清水尾根は池塘が点在し、お花畑が美しい。標高を下げるに従いガスの領域を脱し展望が利くようになってきた。此れは天候回復か! 雨具を脱ごうかと言っていたのに10時を過ぎた頃、何んと雨が降り出してきた。雨具に身を固め只管、長い尾根を下ると何時しか森林限界に達し樹林帯となり樹林の切れ目からだけ景色を楽しむ単調な登山道となった。黙々と歩いていると案外早く不帰岳避難小屋に達した。小屋で早めの昼食を取り、湯を沸かしてコーヒーを呑んで寛いでいると雨は劇的に止み、日差しすら感じるようになっていた。
不帰岳(2,054m)は避難小屋のすぐ西に聳えているが登路が見いだせない。3等三角点「狢谷」があるので物好きが登っているようだが明瞭な道は無い。国土地理院も昭和49年以降観測の実績は無く時間も押しているので今日は登頂を諦めた。Webで登った人の記録を見ると小屋付近の沢から入り稜線に乗って山頂に到っているようだ。
避難小屋を出発して暫く行くと鎖場があり8m位下る難所がある。一人づつ鎖に掴まり濡れた岩場を慎重に下る。案外登り返しもある。2.9㎞進んで300m足らずしか下らない。大きな山体が先に見えてきた。百貫山(1,970m)だ。此の山にも登りたかったが標高差が300mもありとても時間が無い。山頂には2等三角点「東釣鐘」があるがここも昭和49年以降観測されていない。ネットでも登山記録は少ない。ずっと取付きを探して進んだが見出すことはできなかった。百貫山から南の稜線には名剣山(1,906m)が続き西側は黒部川が流れる。
此処からは「百貫の大下り」と名付けられている。祖母谷林道まで800m程の標高差を下る。山行前から左足小指を痛めていた橋本さんの足が止まった。下りは靴の中で足が動き靴に指が当たる。それを庇うように歩くので右足も痛めたようだ。靴ひもを締め直し、皆で橋本さんの荷物を分け合い担いだ。百貫の大下りと云っても激下りではなく巻道のダラダラ下りで長く歩き難い。百貫山から名剣山の東側の中腹を行くので谷の横断も多く、大きいのが6本ほどある。しかも原生林の大木が倒れ通過に苦労する。最後の尾根下りになると樹林越しに祖母谷が見え隠れし出した。やがて石ころだらけの急沢、名剣沢に飛び出す。広い河原を歩き祖母谷林道に達すると林道歩き800mで念願の祖母谷温泉に到着した。
先ずは水着を着て河原の源泉に行く。熱湯の源泉が祖母谷の冷たい水と混ざりあい快適に入れるポイントを探すが流れが急で快適な場所は殆ど見いだせなかった。そそくさと宿の露天風呂に引き上げゆっくりと汗を流した。入浴後は橋本さん奢りのビールで乾杯、夕食には岩魚の骨酒を別注(\1,700)し、最後の夜を楽しんだ。(1泊2食9,500円)

3日目(8/25)
【行  程】 △祖母谷温泉8:21~9:03欅平9:16-10:38宇奈月11:12-11:54魚津12:10-12:34富山13:10-(サンダーバード26号)-16:09京都
【歩行データ】 曇り 歩行2.8㎞ 0時間42分 延登高10m 延下降195m 0座登頂

昨夜夕方から雨になった。欅平駅までは林道なので傘を差して行こうと外に出ると丁度雨は止んだ。湯治のお爺さん3人が見送ってくれ対岸のトンネルに入るまで手を振ってくれた。2年前に土砂に覆われていた林道崩壊箇所は復旧し、駅まで車で行ける等になったようだ。日本秘湯の会の名剣温泉を過ぎると人喰い岩と呼ばれる岩壁を削った道は人が食われてしまうような気にさせる。人喰い岩の入口近くに棚がありオレンジのヘルメットが置かれている。傍らの案内板には「自己判断でご利用ください」と書かれていた。
始発の上りトロッコ列車に乗り宇奈月温泉に向かう。雨を心配していたが普通車(壁のない無蓋車タイプ)の車両に乗り1時間20分の旅を楽しんだ。宇奈月の時間待ちで黒部川電源記念館(無料)に立寄り見学、お土産を買って電車に乗った。魚津で東京に帰る深澤さんは“はくたか”に乗り先に出発した。残った3人は富山まで行ってサンダーバードで帰京した。

【歩行データ計】 歩行26.5㎞ 18時間33分 延登高2,258m 延下降2,900m 5座登頂

20140823白馬岳1
写真1(8/23): 岩の露出部分で休憩、晴れてきた!

20140823白馬岳2
写真2 (8/23) : 杓子岳の岩峰を見上げる

20140823白馬岳3
写真3(8/23) : ウルップソウ、このひと株だけが元気

20140823白馬岳4
写真4(8/23) : 主稜線に達し白馬山荘を見上げる

20140823白馬岳5
写真5(8/23) : 旭岳2,867m、清水岳2,603m (白馬岳山頂より)

20140823白馬岳6
写真6(8/23) : 白馬山頂にて

20140823白馬岳7
写真7(8/24) : 清水尾根には池塘が点在する

20140823白馬岳8
写真8(8/25) : 祖母谷温泉をバックに

20140823白馬岳9
写真9(8/25) : 黒部峡谷鉄道トロッコ、笹平駅下り列車交換待ちの間に
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kyotohira

Author:kyotohira
山好きの社会人で構成された山岳会です。近郊ハイキングから、アルプス縦走、沢登り、岩登り、植物観察、山スキー、トレイルランニングなどオールラウンドに楽しんでいます。

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